☆ハイローハート
「モロとケンカでもしたの?」

「は?」

「モロが来た途端不機嫌になったじゃん」

「別にみさきが来たからじゃねーよ」

「じゃー、ナルがモロとキスしたって言ったから?」

「……んなわけねーじゃん、どーでもいいし」

理一がベッドの上で座りなおす
明らかに、不機嫌になったのがわかった


「さやかの元カレ、覚えてる?」

「一才年上の先輩だろ?」

「そうそう、アタシさ、友達が告白するっていうからそれにつきあって男の子の部活が終わるのを待ってた日があるの」

「へえ、誰?」

「それは今はいいの
それでね、暇だから友達と校舎の日ごろ使われてない場所に入ったりしてたのよ
ちょっと暗くなりかけで“こわー”とか言いながら
そしたらね、さやかと先輩がチューしてる現場に遭遇したんだよね」

「へえ、……で?
なんでそんなことわざわざ言うわけ??
もしかして話ってそれ??」

「そんな話聞くと、むかつく?」

「べっつに、過去の話だし」と理一は携帯をベッドにポンと置くと両手を後頭部にまわして後ろの壁にもたれかかった

「だよねー」

アタシはニコッと笑うと立ち上がる


「かーえろ♪」

「何お前マジでそんなこと言うために今日俺のこと呼んだの?」

「そうだよ」

「なんだよそれ」

「理一の反応が見たかったの、満足満足」

「反応~~??」


「ね、理一、さやかのどこが好き??」

「子犬みたいなとこ」

「そ♪じゃあね~」  

怪訝な顔をする理一を置いて部屋を出た



「迷い猫」の巻


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