☆ハイローハート
「二人で出かけないの?」

珍しくMJから質問された

「ミスド買いに行って、家でテレビ見るって」

「同棲カップルみたい」

と言いながらMJはその体勢のままジュースを飲んでいる

あこは片眉をあげてMJを見ると「MJ、本性あらわしてきてるよね」と揶揄した

「だって、占い師らしい上品なミステリアスを演出してもあなた達には意味ないんだもの」

「……演出だったわけね」

「それが商売です」

あことMJの会話はいつも牽制のし合いみたいになってひやひやするんだけど、これはこれで本人たちは打ち解けているらしい


「あこもMJに占ってもらったら?」

「金取られるから嫌」

「この人は占わなくてもいいわよ、恋愛に苦労しないもの」


「苦労してるっつの」

あこは思い出したようにカバンから携帯電話を取り出した

「はあ……またメールきてる」

「彼氏?」

ときくと、心底うんざりって表情でうなずいた

「もう、ほとんど1時間おきに“何してるの?”ってメールくるんだよね
これは束縛とかっていうより、監視だよ」

「怖いやんか」

「なんか、もう、ちょっと、アレだね
……潮時?」

あこのセリフになぜかMJが「ほら、ね」と言った

「この人は、恋愛に依存もしないし、執着もしない
好きと思ったら寄っていって、イヤって思ったらすぐ切るのよ
自分の感情に正直に行動するから、占いの意味ないの」

「……見てきたみたいにいうね
でも、こっちが好きで寄っていっても拒否られることだってあるんだからね」

「あなたは、ないわ」


……MJは、断言した


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