☆ハイローハート
もう寝ないと……
時計は丑三つ時の2時をさしている

明日、何時に理一来るんやろ

ミスド行って、ミスド買って、家でWOWOW見るってゆってたから……
夕方くらい??

ん~、昼くらいまで寝て、それからちょっと化粧するか


なんて考えながらベッドの上でスマートフォンを眺めていた

流行のケータイ小説を読みながら……

『俺の女に気安くさわんじゃねーよ』

登場人物の王子のセリフがかっこよくて、思わず一人芝居してしまう

『お前、俺んだろ……だったら、俺に全部預けろ……』

のセリフのあと、ヒロインは押し倒されてチョメチョメってる……

アタシは携帯片手にベッドをころころ転がって「ああ~いけません、そんなことなさっては~~」となりきりヒロインを演じている……と


突然手の中の携帯が鳴り出して最上級に驚いた

現実の出来事に一気に熱が冷めて、(何やってんねん、アタシは)と座りなおして携帯の画面を見た


……理一???

「もしもし?」

「みさき、起きてた?」

「うん、転がってた」

電話の向こうでひそひそと声を潜めている理一が笑っている

アタシが「理一、明日何時に来る?」と聞くと、一瞬間があいた



「ああ、明日な、……えっと、それなんだけど」


え?何??中止……とか??

今から言われる言葉を予感してアタシは瞬時に心臓をコーティングした

楽しみにしてたってばれないようにしないと……

アタシだけが楽しみに待ってたなんて、恥ずかしすぎる


「あのさ」


理一の言葉に「……うん」と答える


「今、みさきの家の前」


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