☆ハイローハート
「なんで機嫌悪いんだよ」

「彼氏でもない男にひざ枕なんかしたくないし」

「……国坂ならいいわけ?」


ダイニングテーブルにグラスを置くと「国坂くんとはまだ付き合ってないから」と反論した

「まだってことは、もうすぐってことなんじゃねーか」

今度は理一が怒ったようにソファーに座りなおしている

もう、またこの展開

国坂くんの名前が出てきたら、絶対この空気になるんやから……


「アタシに彼氏ができても、理一にはさやかがおるから関係ないやん」


あっさりと核心を口に出してしまった

これを言うと、元も子もない


「だって、さすがにお前に男ができたら……俺ここにこれねーじゃん」


彼女がいてもここには来るけど、アタシの彼氏には遠慮する気持ちがあるんだね

自分の横をポンポンと叩くと、「もう枕にしねーから」と言われて、アタシはまたソファーに座った


理一といると、素の自分が出る

理一も、女の前だって意識してないみたいに、素だ


ものすごく自然にアタシの日常に存在を置きにくる

「なんか、調子狂う
みさきと俺、昔からの友達みたい」

と理一がボーっとテレビを見たまま呟いた


「うん、アタシも同じこと思った」


「今日泊まっていい?」


……今日、泊まって……


「は???」

「だって、どうせ明日も一緒じゃん」

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