☆ハイローハート
受け入れたのはアタシ

引越してくる前に、新しい場所では同じ失敗を繰り返さないってあんなに強く誓ったのに……

全然ダメ

誰かに必要とされたくて、でもどうすれば必要とされるのかわからなくて、ただ男の人の欲望にこたえることしかできなかった自分
だけど、たとえ体はつながってもちっとも心はつながらないことに気がついて……余計に心が沈んでいって

だから、心でつながれる相手を見つけたいと思ったの

なのに好きになった人に彼女ができて、


――理一の腕がアタシの肩を抱いて
アタシは理一のお腹の上に腕を置いて反対の手をギュッと握った


口では拒否しながら、頭のどこかではこうなることをきっと望んでいたの

だって、そうでもないとアタシと理一をつなぐ糸なんてもろくてすぐに消えてしまいそうで、一生懸命たぐりよせて必死で赤い色を塗る


うらやましかったの

理一にあんな風に想われるさやかが……

アタシも、大事に想われたい




そう考えて、ちょっとだけ投げやりな気分になった


アタシは“清純派の子犬みたいな乙女”からは程遠い


ちょっとこっちを見た理一
顔を上げるとチュッと唇が触れ合う



好き、理一


すき


すき


理一が、好き






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