☆ハイローハート
本格的な梅雨に入る前のぐずついた天気の事を“走り梅雨”というらしい
モロに降り始めた雨は、寄り添うアタシにも降りかかる
こうなる予感は少し前からあったはず
だからアタシは突拍子もないことを言い出したわけでもない
駅のホームにあるベンチに座っている彼に「別れて欲しい」と伝えると、思っていたより過剰な反応が返ってきた
「なんで?俺の何が気に入らないの?」
「気に入らないっていうか……」
「じゃあ何?」
「なんか、……アタシの事信用できないみたいだし」
「自分の彼女がどこで何してるとか心配して気にかけるのは悪いこと?」
「いや、いくらなんでも限度があるでしょ」
「それだけが原因なら、直すよ」
そこが直れば、前の気持ちに戻るわけじゃない……
「ごめん、もう、つきあえない」
「だから、直すっていってんじゃん」
「それだけじゃないから」
「他は?何?」
「何……って、もう、前みたいに好きって思えないの」
「他に好きな男でもできた??」
好きな男っていうか
まともに話したこともないし
名前も知らないし
顔をみたことあるって程度なんだけど……
浮かぶロシアンブルーの髪色をした、王子みたいな顔
「気になる……人がいる」
と言った瞬間に立ち上がった彼に殴られた
モロに降り始めた雨は、寄り添うアタシにも降りかかる
こうなる予感は少し前からあったはず
だからアタシは突拍子もないことを言い出したわけでもない
駅のホームにあるベンチに座っている彼に「別れて欲しい」と伝えると、思っていたより過剰な反応が返ってきた
「なんで?俺の何が気に入らないの?」
「気に入らないっていうか……」
「じゃあ何?」
「なんか、……アタシの事信用できないみたいだし」
「自分の彼女がどこで何してるとか心配して気にかけるのは悪いこと?」
「いや、いくらなんでも限度があるでしょ」
「それだけが原因なら、直すよ」
そこが直れば、前の気持ちに戻るわけじゃない……
「ごめん、もう、つきあえない」
「だから、直すっていってんじゃん」
「それだけじゃないから」
「他は?何?」
「何……って、もう、前みたいに好きって思えないの」
「他に好きな男でもできた??」
好きな男っていうか
まともに話したこともないし
名前も知らないし
顔をみたことあるって程度なんだけど……
浮かぶロシアンブルーの髪色をした、王子みたいな顔
「気になる……人がいる」
と言った瞬間に立ち上がった彼に殴られた