☆ハイローハート
鏡の前で保冷剤をあてながら(うっわ~)と唸った

お風呂に入って部屋着に着替えた頃には、くっきりとあざが色を持ち出して……

これじゃ、学校に行けないよ


アタシはベッドに寝そべって、保冷剤を顔と枕の間に挟んだ

カブとサリーが暖を求めてアタシの足元に場所を確保する


「あんた達、アタシ怪我人だよ……」


ケータイも無いし

今日はパパかママにお弁当でも買って帰ってきてもらおう……

何か作る気にはなれない


ピンポーンとインターホンが鳴る


あ~……出たくない


更に何度か鳴らされるインターホン


電話つながらないし……モロかな?
理一達ってことはないだろうし


アタシは重い体を起こして保冷剤でこめかみを押さえながら玄関へと向かった

少しだけドアを開けると「いるんじゃねーか、なんで電話でねーんだよ」ととよきのデカイ体が割って入ってくる


驚いてアタシは保冷剤を背後に隠すと、あざが見えないように横向きに俯いた

とよきの声にサリーがつられるように玄関に姿を見せた



「何?もう来ないでって言ったでしょ??」

「縁まで切る必要ねーだろ??」

「悪いけど、アタシあんた達みたいな男嫌いなんだって」

「今日は俺一人だから」

「関係ないよ、理一達といつもつるんで一緒の事してんじゃん」

「そんなこと今まで言わなかっただろ」

「勝手にどっかの女で遊ぶのはいいよ
……だけど、アタシの友達に手を出されるってなったら話は別」

思わず興奮して顔を少し上げてしまった


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