☆ハイローハート
町が流れ出す
4月の風はまだ少し冷たいけれど、清々しく吹き抜けて
知らない土地で、色を持ち始めた生活が動き出す
「おまわり見つけたら飛び降りてよ」
「リョーカイ」
歩道ではなく、車道の左側をぐんぐん走る
横を過ぎていく車から視線を感じる
運転手や同乗者が男なら、なお更……!!
って、めっちゃわき見運転!!
横を大きなダンプカーが通過していく時に、大きなクラクションを鳴らされた
アタシが見上げると、運転席で頭にタオルを巻いた兄ちゃんがニヤニヤ顔でこっちに手を振って過ぎていった
ダンプカーを追いかけるように巻き上がる風が砂と一緒にアタシ達にふりかかる
強風すぎて、髪がボッサボサ
あんまりにも強すぎる風がむしろ面白すぎて笑えてくる
「風強すぎやろっ!!」
って笑うと、前であこも笑ってる
その笑い声につられるように、歩道を歩いている深緑のブレザーの男子がこちらを振り向いた
追い越しざま、メガネに光が反射して相手の表情は全くわからないけれど、何故か目が合った気がして一瞬時間がスローモーションになる
硬そうな皮の制カバンを抱えて、片手で本を開いている
キレイなローファーが一瞬見えた
実際は5秒にも満たない時間、よくわからない余韻を残して彼を追い越していく
やっと落ち着いた風
片手で髪を整えて、ついでに見下ろすところにあるあこの髪もササッと整える
段々と歩く人の姿が増えてきて、少し先に駅の高架が見えた
4月の風はまだ少し冷たいけれど、清々しく吹き抜けて
知らない土地で、色を持ち始めた生活が動き出す
「おまわり見つけたら飛び降りてよ」
「リョーカイ」
歩道ではなく、車道の左側をぐんぐん走る
横を過ぎていく車から視線を感じる
運転手や同乗者が男なら、なお更……!!
って、めっちゃわき見運転!!
横を大きなダンプカーが通過していく時に、大きなクラクションを鳴らされた
アタシが見上げると、運転席で頭にタオルを巻いた兄ちゃんがニヤニヤ顔でこっちに手を振って過ぎていった
ダンプカーを追いかけるように巻き上がる風が砂と一緒にアタシ達にふりかかる
強風すぎて、髪がボッサボサ
あんまりにも強すぎる風がむしろ面白すぎて笑えてくる
「風強すぎやろっ!!」
って笑うと、前であこも笑ってる
その笑い声につられるように、歩道を歩いている深緑のブレザーの男子がこちらを振り向いた
追い越しざま、メガネに光が反射して相手の表情は全くわからないけれど、何故か目が合った気がして一瞬時間がスローモーションになる
硬そうな皮の制カバンを抱えて、片手で本を開いている
キレイなローファーが一瞬見えた
実際は5秒にも満たない時間、よくわからない余韻を残して彼を追い越していく
やっと落ち着いた風
片手で髪を整えて、ついでに見下ろすところにあるあこの髪もササッと整える
段々と歩く人の姿が増えてきて、少し先に駅の高架が見えた