☆ハイローハート
「この間、モロが担任と放課後に留学の話してるときにさ、MJに“男と別れようかなって思ってる”って話したの」

ほらやっぱりあこはMJの占いに一目置いてる

「MJに占ってもらったってこと?」

「私占ってないわよ、あこを占ってもお金にならないもの」

とMJはぴしゃりと切り捨てる

「MJに……
男に別れ話を切り出すときは気をつけた方がいいわ、って言われただけ」

あこはため息まじりに言った

「え、それだけ?」と、アタシ

「そう、それだけ」と、あこ

「それだけよ」と、MJ


…………


駅前にマクドナルドがある駅で降りるとしぶしぶMJもついてくる

「あなたたちのおかげで最近めきめきファーストフードデビューしているわ」

「高校生やで!マクド行ったことないとか、おかしいやろ」

「別におかしくないわよ、行かなきゃいいんだから」

……何やろ、この温度差


学校に行く気分じゃなくて、散々ダラダラと時間を潰して……


こうして時間を共有していても、アタシの頭の中はどこか理一が消えなくて

女って、なんで恋愛脳なの??
そこだけ切り取って、もやもやする気持ちを捨ててしまいたい



“俺は、みさきにキスがしたい”
――俺のタイプはさやかだし

“このお姉ちゃんは俺のなの”
――俺のタイプはさやかだし



理一がアタシの家で過ごした40時間がその一言で全てぶち壊れていく

あの日重なったと思った温度さえ薄ら寒い


MJは伏せていた目をあげるとアタシをじっと見た


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