☆ハイローハート
「モロ、とよきの番号知ってるの?」

「知らん」

「アタシも電話帳がないとわかんないよ」

「……理一の番号やったら、わかる」

「却下、MJ……は知ってるわけないか」

あこがそういうと、MJはカバンからノートを取り出しながら「携帯の番号ね、占えばわかるから待って」とボールペンをカチッとノックした


…………


「占いで、番号ってわかるん?」

聞いてはいけない気がしたけれど、聞かなくては収拾がつかない気がして聞いてみる

「……わかるわけないじゃない、冗談よ」

と、MJはあっさりノートを畳んでペンをカバンに入れた


だからっ!
MJの冗談は、冗談にきこえへんねんってば……っ!!


あこは店内の時計を確認して、「もう10時すぎてるし、今から機種変しに行くよ」と片付け始めた

「アタシも行きたい♪
スマホにすんねんやろ?スマホ、スマホ」

「もちろん」

「MJも一緒にいこ」

「私は学校に行くわ」

「あこがどんなスマホにするか気にならんの?」

「全く興味ない」

アタシが肩をすくめながら「んじゃ、あこが携帯変えたら一緒に学校行くから」と言うと、MJは呆れたように笑った


真っ二つに折れたのに幸い電話帳のメモリーは生きていて、あこは一番最初にとよきに電話をかけていた

だけど相手はもちろん授業中のはず

あこはため息をつきながら「アタシ今日はもう帰って家で新しい携帯触ってるよ」と学校に行く気分ではないようだった

アタシとMJはあことバイバイして学校へ向かう

早速新しいあこのスマートホンに「早く使いこなせるといいね☆お大事に」とメールを送った


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