☆ハイローハート
「MJ、今日は霊感商法は??」

「人聞き悪いこと言わないでってば、あなたもあこもすぐそう言うんだから」

やる気のない授業を全てこなして、放課後にMJの教室をのぞく

彼女が人差し指を(しーっ)と紅い唇に押し当てると、白い指の青白さが際立った


「呪い、かけてみようか」

自分の耳を疑いながら「……はい?」とMJの顔を見た

「あこの元彼氏の大学知ってるんでしょ?」

「うん」

「顔もわかるんでしょ?」

「……うん」

「彼の持ち物を一つ、髪の毛一本でもいいわ
盗りに行かない?」

「……ええけど、何するん?」

「もちろん、呪いをかけるのよ」

「呪いなんかかけれんの?」

「したことないけれど、女性に暴力を振るう男に呪いをかけても、世の中の為だと許してもらえるわ」

この発展しまくった現代で“呪い”って……


「一度かけてみたかったのよ、呪い」

MJは珍しく乗り気で、アタシの前を歩いていく

……ま、あこの仕返しができるなら悪くない……と、身長は低いのにとんでもない迫力とオーラを放つMJの後を追った



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