☆ハイローハート
「なんで、とよきまでやられてんのよ」

「相手の友達とか言うヤツらがぞくぞく来てさ……」

「やり返された?」

「……ま、でもあこの男はボッコボコにしてやった」


とよき……
あんた、マジでいい男


「呪いかける必要なくなったわね」

……MJ

「ドーナツでも買ってあこのお見舞い行く?」

「……いや、多分俺がそんなことしたってわかったらアイツ絶対怒るから……」

「怒らんって」

「やめとくわ」


とよきはうつむいて前髪をぽりぽりかいている


「諸岡」

「ん?」

「あことさ、一緒にいてやってよ……M、J、ちゃんも」

そういや、とよきはMJの本名知らんねんや

「恋人だとさ、いつかどっちかが傷ついたりして終わるだろーけど、友達だとそれねーじゃん?
なんか、珍しくあこがすげー、気を許してるみたいだから……頼むわ」


だから、とよきはあこに気持ちを伝えないの?
友達だったら、その関係はいつまでも終わらないから??


「それとさ」


じくじくとみぞおちあたりが重く苦しくなってくる

とよきの声が聞こえてなくて「諸岡?」と呼びかけられた

電車がホームに入ってくるアナウンスが大きく響く

「諸岡、……ごめん」

「何が?」

「こないだ」

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