☆ハイローハート
……こないだって
やっぱり、アタシの事気付いてたんや

「なんで、とよきが謝るん?」

「いや、なんか……ごめん
無神経だからさ、俺ら」


「無神経だから仕方ないと、言い訳しているように聞こえるわ」

突然ものすごく冷たい声で言ったMJをなだめるように「MJ」と呼んだ

「いや、そういう意味じゃなくて」

ととよきも言い訳をするけど……

「私の友達が男にあんな扱いをされると悔しいし、許せない」

MJ……

彼女は表情を崩さずに続ける

「あなたが謝ったって、本人は何も悪いって思ってないじゃない」

「いや、あれはあれで事情が……」

「吐いたつばは飲めないのよ?」

「あ……うん
なんか、ごめん」

とよきはMJにたじたじで、また頭をかいている


電車がホームに入ってきて強風がふきつけてきた


「まあ、でも、こっちの気持ちをわかってる人が一人でもいるなら、溜飲が下がるわ」


風に吹かれて顔にかからないように、MJはつやつやの黒髪を耳にかけた


「俺、もうちょっとここで休憩していくから」


そういうとよきを置いて、アタシとMJは電車に乗った


「この間はドーナツを食べなかったから、今日が本当のドーナツデビューよ」

MJがしれっと言うから、笑ってしまった


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