☆ハイローハート
「ここでいいわ、帰り道わかるし」
あこの家を出て、マンションの下でMJは振り返るとそう言った
「ほんまに?送っていくよ??」
「大丈夫、明日学校でね」
と、バイバイして歩いていくMJの背中を少しの間見送っていると、カバンの中のケータイが震えるのがわかった
画面には“着信 国坂 隼人”と出ている
「もしもし??」
『用事で近くまで来たんだけど、もしよければ少しだけでも会えないかと思って』
「近く??」
『今、マンションの近くにある公園の前』
「……アタシ今マンションの下やから、その公園で待ってて」
公園に向かうためにマンションの駐輪場の前を横切った
いつも暗めの駐輪場に何かが動いた気がして、ケータイ片手にそちらに目をやると人影が見えた気がして歩きながら目を凝らす
身長の低い彼女の肩に置かれた手
目を閉じて待つ彼女
少し高度を落として近づいていく顔
たっぷりの愛しさをあらわすように
ゆっくりと大切そうに
――重なるくちびる
理一、好きな女には優しくキスできるんやん
……不意打ちなんかじゃなくて
別に、いいけど……
『見えたみさきちゃん、こっち』
少し先の公園に国坂くんが立っているのが見える
ケータイを切ってアタシはそちらに駆け寄った
「急に呼び出してごめん」
「いいの、ちょうどマンションの下にいたし」
「ここのとこ、朝も会わないし
学校の前で待つのはこの間で懲りたし」
あこの家を出て、マンションの下でMJは振り返るとそう言った
「ほんまに?送っていくよ??」
「大丈夫、明日学校でね」
と、バイバイして歩いていくMJの背中を少しの間見送っていると、カバンの中のケータイが震えるのがわかった
画面には“着信 国坂 隼人”と出ている
「もしもし??」
『用事で近くまで来たんだけど、もしよければ少しだけでも会えないかと思って』
「近く??」
『今、マンションの近くにある公園の前』
「……アタシ今マンションの下やから、その公園で待ってて」
公園に向かうためにマンションの駐輪場の前を横切った
いつも暗めの駐輪場に何かが動いた気がして、ケータイ片手にそちらに目をやると人影が見えた気がして歩きながら目を凝らす
身長の低い彼女の肩に置かれた手
目を閉じて待つ彼女
少し高度を落として近づいていく顔
たっぷりの愛しさをあらわすように
ゆっくりと大切そうに
――重なるくちびる
理一、好きな女には優しくキスできるんやん
……不意打ちなんかじゃなくて
別に、いいけど……
『見えたみさきちゃん、こっち』
少し先の公園に国坂くんが立っているのが見える
ケータイを切ってアタシはそちらに駆け寄った
「急に呼び出してごめん」
「いいの、ちょうどマンションの下にいたし」
「ここのとこ、朝も会わないし
学校の前で待つのはこの間で懲りたし」