☆ハイローハート
「ああ、遠赤外線な」


「遠赤外線で温める必要はないから……赤外線ね」


笑いをこらえながらズバッとツッコんできた

カバンから出したアタシの携帯を見て「お、スマホ」なんて感激している


お互いの連絡先を送信しあうと、まもなく学校の最寄り駅についた



同じ制服の女子達が並ぶように一本道を歩いていく



「ところで、昨日なんで上級生に絡まれてたの?」

携帯を操作しつつ、あこが聞いてくる


「ああ、あれ……なんかアタシが男にちょっかいかけたとか言って」

そこまで言うと、突然横から「みーさーきーちゃん!」と男が乱入してきた


人二人分の道幅に割り込んでくるから肩がぶつかって……狭い


あこがアタシ越しに男の顔をのぞきこんで、片眉をつりあげた


「呼び出された原因、この男

アタシがちょっかいかけたとかって誤解を受けて」


アタシが隣を指差して言うセリフに首を傾げて「ん?あれ?何かあった?」なんてすっとぼけた言葉が男からかえってくる


近くの男子校とか言ってたっけ


また、今のこの状況を見られてるとめんどくさいことになるんですけど……


「あこ、早く行こ」


と足を速めた


一緒に早足につきあってくれてるあこが「知り合いじゃないわけ?」なんて聞いてくる


「いや、一回声かけられただけ

で、まさかの刃傷沙汰」


「…………それってさあ……」




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