☆ハイローハート
アタシが殴られた日、ロシアンブルーが書いたしわくちゃのチラシの裏書を見ながら「ううーーーーん!」と伸びをした


サリーはそのアタシの腕の先を見ながら迷惑そうな顔をしている

……なんでアタシがアタシの部屋で邪魔モノ扱いされてんだか


近くにあった猫じゃらしのおもちゃでサリーの手をフサフサすると、ベシン!と叩かれた


カブがそんな楽しそうな雰囲気を察知したのか足音もさせずに戻ってくる


あの日アサイチで病院に行って、スプレー式のノミ取り剤と、先生オリジナルブレンドのスペシャルミルクの飲ませ方を教えてもらった

三日三晩つきっきりで数時間毎にスポイドでミルクを飲ませ、排尿と排便の補助をして、風邪をひかない程度にノミ取りスプレーをもみこんで……



今では、こんないたずらっ子に




「ニャー」



自分の鼻先の猫じゃらしにいきなりパンチをされて驚いたサリーが、カブを怒った

カブは姉猫に怒られて一瞬たじろぎはしたけれど、すぐにまた猫じゃらしにじゃれついていく


サリーは呆れてその場を譲る


その時カブが後ろ足のバランスを少し崩した気がしてアタシは眉を寄せた


「ね、やっぱカブ、後ろ足調子悪い??」


表情を確認するように顔を近づけると、テンションのあがりきったカブがアタシの顔をペシッと叩くから、「痛いよカブ~」とその場でパタンと倒れた





「俺たち男の子」の巻




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