☆ハイローハート
「夕方から出かけるけど……」

あこが手で俺を払う仕草をするから立ち上がった

「家入っていい?」

「ダメ」

「まだ怒ってんのかよ」

「何勘違いしてんの?怒ってるんじゃないよ、あんたが嫌いなの」

「っつか、俺あこに何かした??」

あこが玄関の鍵をあけてサッサと入っていこうとするからそのドアを手で押さえた


「じゃ、家には入らないから……これだけ教えて」

「何?」

「……みさき、どこ?」


ドアを閉めようとするあこの手の力がなくなって、俺は代わりにドアを支える


「モロに何の用?」

「用……って……」


と俺は手に持つコーヒーゼリーを思い出して「これ、一緒に食べようと思って」とあこの顔の前に持ち上げた


「そんなの、モロとじゃなくて彼女と食べなよ」

「彼女の話は今してないから」

「モロにそんなもんもって行って、あんた一体モロをどうしたいの?」


どうしたいって……

なんか、ただテレビ見てちょっと話したいって思うのは、悪い事?


あこの室内で人の動く気配がした

「おいあこ……お前うるせーよ」

さっきインターホン鳴らした時は出てこなかったし、声の調子からすると今起きたって感じ

腕をぐりぐりまわしながらあこの兄ちゃんはこっちに寄ってきて

「なんだ、理一かよ……ケンカなら家の中でやれ、近所に迷惑だろ」

としかめっ面をした

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