☆ハイローハート
あこは仕方なく俺を招き入れると、スタスタとリビングへ行ってしまった


「小さい頃からお前らいっつもケンカしてるよな」

あこの兄ちゃんはそう言って「あがれば?俺もうちょっと寝てるから、ケンカなら静かにな」とトイレに入ってしまった

ジュースを二つ持って自分の部屋に入るあこを見つけて俺も入って行く

あこの机の上にコーヒーゼリーを置くと、おれはいつものイスにあぐらで座った


「理一、アタシと友達??」

「は?」

「いっぱいいるでしょ、女友達
アタシのこともそういう風に思ってる??」

「思ってるけど
でもお前は小さい頃から知ってるし親同士も仲イイし、友達っていうか、まあ、家族に近いっつーか」


さっきとは違ってあこが穏やかに話すから、俺も落ち着いて話せた

「この間彼氏のライブに行った時さ、アタシがいる事に気付いてない彼氏が友達と話してる事聞いちゃってね……」

とつぜんはじまったあこの男の話


「べつに好みの顔じゃなくても女子高生ってだけでおいしいし、しかも最近の女子高生って簡単にヤラせてくれんじゃん……ってアタシの事話してたんだ」

は?なんだソイツ

「それで、別れ話持ち出したら挙句の果てには殴られて……」

「は?それってあの大学生の男かよ」

「そうそう、覚えてる?」


俺は思わず意気込んであぐらの足を下ろすと立ち上がりかけた


「覚えてるっつーの、で、お前そいつと別れられたわけ??」

「へ?」

「なんなら俺が話つけてきてやるよ」


ホントにマジでそう思ったんだけど、あこが悲しそうな、それでいて怒っているような複雑な表情で俺を見返しているから止まってしまった


「半分ホントで、半分ウソ」


あこの言葉に、俺は意味がわからなくて眉を寄せた

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