☆ハイローハート
・・・・・・


…………おんなじクラスだったんだ



遅刻ギリギリの教室に入ると、アタシの席から離れた場所に見覚えのある色素が薄い栗色のロングヘアーが見えた


最近やたら帰り道に出くわすハーフ顔のキレイな女


二日前は学校の最寄り駅で、近くの男子校の男と話しているところを見かけて

昨日は、アタシの家の最寄り駅で上級生っぽい女達になにやら絡まれている様子だった



大人っぽいから年上かと思ったけど、同じ一年ってことは……

入学早々、先輩に呼び出されるなんて何しでかしてんだか


座ったままひじにあごをついて、机の穴にシャーペンの先を突っ込んでいるような仕草をしている


クラスメイトの名前はまだ半分以上わかっていない

別に仲良くなることに緊張してるわけじゃないけど

ただ、なんとなく


クラスの雰囲気とか、その子のキャラとか、ある程度探ってからじゃないと動き出せないし



前の席の女の子が突然振り返る


「花谷さん、おはよう」

「あ、おはよう」

「ね、今日はお弁当持ってきたの?」

「いや、今日も学食なんだ……両親とも忙しいからさ」

「そうなんだァー、じゃあまた今度お弁当の時は一緒に食べようね」

「うん、ごめんね」


今学校来たばっかりなのに、昼ごはんの話って


食いしん坊か




それから一日、ハーフ女を観察していたけど

アタシみたいに様子見中なのか、誰かと親しげに話すわけでもなく

だけどかもし出す雰囲気は孤高の一匹狼のようで

外見も相まって、周囲の人間も近寄りがたくて遠目に彼女を気にしているような……そんな空気






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