☆ハイローハート
「……してねーよ
告白は、したけど」

とよきがボソッとそう言って、がぜん俺とナルのテンションがあがる

「え?で!!!あこなんて???」

「なんてって……まあ普通に“ありがとう”って」

あ り が と う ??

どーゆー意味だ!!

「付き合うの??」

と聞くと、こっちも見ずに「……まあ」と返ってきた

「マジ?!
良かったじゃんとよき!!!」

俺がとよきにそう言うと、ナルは脇に積み上げられてる兄ちゃんの部屋からがめてきたエロDVDを散らかしながら「もうこーゆーの見なくていいねっ!!」と興奮している


小学生の頃から好きだった相手と付き合うことになるなんて、すごすぎる


「すげーなあ……」

と俺は後ろのベッドに頭をもたれかけさせて、ケータイをまた開いた

“ラブ注入~
龍一に送った写メ、俺にも送って“

とだけ入れて送信する

「これで今までヤラれっぱなしだったあこをゆするネタが出来たゼ……」

ナルが悪だくみしている言葉を吐いて、とよきに「ゆすったら殺す」と一蹴されていた

ゆすってどーすんだっつーの


それから約一時間後くらい

ナルは俺のベッドを占領して寝てるし、とよきは幸せそうに帰ってしまった


鳴らないケータイをかたわらに置いてうつらうつらしてると、突然メールを受信する


待ちわびてたみさきからの返信だったのに

“あの写真とっくに削除しちゃった
リューイチにもらえばええやん

あ、焼肉は理一のおごりで“

と絵文字の一つもなくて……龍一にはデコメ送ったくせに……と、俺はふくれたままいつの間にか眠っていた


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