☆ハイローハート
「寿里が男の子のお友達を連れてくるなんて珍しいわ~」

真っ白な日傘と、真っ白なつばの広い帽子が似合いそうな……

実際髪は真っ白のリボンでポニーテールにされている


……寿里


門があるくらいの立派な家
確かでっかい表札には「間山」と書かれてあった


間山寿里

Mayama Juri

略して、MJ

……だったのか


「お友達じゃないわ、お客様よ」

とMJは更に否定

「寿里の母です
ぶりっこしたり、可愛げのあることを言わない娘だけど、よろしくね」

俺ととよきが軽く頭を下げると、棚に並んでいる物々しい本を手にとっては眺めていたあこが明るい声を出した

「おばさんこんにちは」

「あこちゃん、彼たちはあこちゃんのお友達なの?」

「幼なじみなんですよ」

「そう……、二人ともイケメンで、あら」


とこちらを見たMJのお母さんの目が俺の腕をじっと見て、不自然にそらされた


あこが「おばさん、そんな思わせぶりなことしたら理一がビビるから」と言って、更に不信感が増す


「理一くん?」

MJのお母さんはティーポットのふたをとって、紅茶の出具合を確かめながら俺を見た

「はい、西田理一です」

「今日寿里に見てもらいに来たのはあなたね」

「……え?わかるんですか??」

「わかるわよ~、寿里の母親だもん」

< 361 / 756 >

この作品をシェア

pagetop