☆ハイローハート
「今聞いてもどうしようもないと思うから、時がきたら教えてあげる」

……左腕が気になって仕方ないっつの

「で、何で占うの??
生まれた時間は聞いてきた?」

「……聞いてません」

「じゃあ四柱推命は無理ね
タロットなら現在過去未来がわかるけれど」

「……それにします」


なんか、確かに以前MJに言われたことは全て当たったんだけれど、いざタロットを目の前にするとすげーうさんくさい

まさか自分が恋占いしてもらう日がくるとは


MJがかき混ぜているタロットを見ながら俺はまた左腕をさすった


「それで、性交渉した彼女との事を占うの?
それとも別のことかしら」

「えっと、その……彼女と別れたいんですけど」

「どうして?
あなたが彼女のわがままを聞いてあげていればうまくいくって言ったでしょ?」

「そー……なんだけど」


MJは突然手を止めてしまった


「やっぱり無理よ、私この人のことどうしても受け付けない
占い師として失格って言われても、無理なもんは無理なの」

「え、MJ……」


あこが焦っている


「占いで割り切れるのは他人だからだわ
こんな気持ちは初めて知った
あなたからお金を巻き上げたら少しは気が楽になるかと思ったけど、やっぱり無理
自分が占い師だろうが霊感商法だろうがそんな事どーでもいいの
モロを傷つけた事がどうしても許せない!!」


風もないのに、タロットがふっと二枚……下に落ちていく

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