☆ハイローハート
上手に上手に美しい声を出そうとしているよりも、その歌に感情がこもって少し掠れる感じがどうしようもなくキュンとなる


そのロシアンブルーな男の子がまたこちらを見て、今度はユラユラと手を振ってきた
自分が見つめていることすら自覚していなかったアタシ


……男連れできてる女に手を振らないでよ


アタシはマスターと話している彼の後ろ姿を確認して、ちょっとだけ微笑み返しすぐ真顔に戻す

そんなアタシがおもしろかったのか、ロシアンブルーは歌いながら肩を揺らせた


……あの子も、今度のライブに参加するのかな??


ああ、そうだ
モロと一緒に見に来よう
あとでライブの日時を聞いておかなきゃ


アタシはまばたきを一つして、このライブハウスの場所を脳に記憶させた





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