☆ハイローハート
短縮授業だから午前中に学校が終わる

さやかの怪我はもう送り迎えをしなくてもいいくらいに回復していたし

部活は新学期までないし、

解放感を感じながら駅までの道をとよきとナルと歩いていた


「んで、ナルは何時から会うんだよ」

「相手は短縮授業とかねーんだよ、だから夕方から」

「とよきどーする?
何か食いに行く?
俺腹減ったんだけど」

「あ、俺も~~」


さっきから話しているのは俺とナルだけ


「とよきぃ、もうあこに電話しちゃえよ」

とナルは自分のケータイをとよきに押し付けた

俺も同意する

「行くなって言えばいーじゃん、今はアイツお前の彼女なんだからさ」


大体、あこは元来生意気すぎる

いつだって正義振りかざして、ちょっと口が達者だからって……

“アタシ何ひとつ間違ったことしてない、言ってない”みたいな態度

“反論できるならしてみなさいよ”と言わんばかり


とよきは押し当てられてるナルのケータイを突き返してますます肩を落とした

「理一、昨日あれからあこと話した?」

「話したっつーか、“あこが悪い”って言ったら、俺が怒られた」

「なんて?」

「女の子の相談に乗りに行くのがなんでダメなの?って」

「……そーだろーな」

「元カレも一緒なんだろ!って反論したら
別に元カレとカフェでまったり過ごすわけでもなけりゃショッピングを楽しむわけでもないじゃん!って」

「……そーだろーな」

「困ってる女をほっとけないの、アタシは!って怒鳴って家に帰っていった」


ナルが「あこ、母親の血受け継いでるナァ」ととよきの肩を叩いた


< 378 / 756 >

この作品をシェア

pagetop