☆ハイローハート
遠足ではきちんと決められた班での行動が義務付けられていたけれど、違う班のはずのさやかは俺ととよきが所属する班とずっと行動を共にしていた

俺らの班の大西ルカを筆頭にした女子と話すわけでもない、ずっと俺ととよきと話している

見かねた大西ルカは、後ろを向いて歩きながら俺やとよきにはなしかけるさやかの行く手を阻むように立ちふさがった

当然、さやかがぶつかる

「いたっ
あぶな……」

「近藤、さん?
決められた班の人と行動してくれないかな?」

「え??」

「違う班だよね」

「だって、さやかの班に知ってる子いないし」

「仲良くなるための班分けだから、そこで友達作るんだけどー?」

「でもさやか、理一くんと一緒に行動したいし」

さやかが俺を見るから、助け舟を求められていることに気付いたのは気付いたんだけど……


“あこちゃんにしてたみたいに”ってそういや言われたっけ

こーゆー時、俺あこにはどうしてた??

……確かに中学の時、全然違うクラスなのにあこの班に混ざってたりしたことがある

でもその時は、俺らがあこん所に行ってたはず

もしあこが俺らんところに来てて、こうゆう風な状況になったら……


っつか、ならない気がする……こうゆう状況に

という結論を出して、結局さやかを擁護するセリフ一つすらでてこない


とよきはさやかの肩も、大西ルカの肩ももったわけじゃないと思う
多分、俺に向かって助け舟を出したんだ


「クラスリーダーがそれを認めると示しがつかねーんだよ」

というと、さやかは「いじわる、じゃぁね理一くん」と俺の腕に軽く触れてからバイバイと手を振って行ってしまった


友達でいようねというさやかの言葉に、ついつい今までどおり接してしまう

これは、もしやMJの言う……『手を差し伸べないこと』に反してるんじゃないかって警告灯がチラついてる

いや、だけど“友達”を否定するのもおかしい気がするっていうのは、間違ってる??

だけど、こんな調子だから、周囲も俺たちの交際が続いていると微塵も疑っていないんだ

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