☆ハイローハート
その姿を追い越す時、彼が意外と体格がいいことがわかった
制服ぬぐとすごいんです、みたいな
着やせするんです、みたいな


……ってアタシ、朝から男子高校生の制服の中身想像してどーすんねん

ふるふると思考を振り払う

あこが自転車をこぐ速度を緩めると「理一~~、ナル~~」と大声を出した

流れる景色がゆっくりになって、アタシは昨日もみたデカイスポーツバッグが二つ並んでいる姿を道の先に見つけた

「お~、あこ」

理一が振り返って手を挙げている

「みさきちゃんおはよ~」

ナルがそう言ってくれてる間に自転車は二人の横を過ぎていった

速度はアタシのさじ加減ではないから、あっというまに距離が開いていく

アタシが慌てて振り返ると、理一が目を細めて「はやっ」と笑っている

(バイバイ)という間もなく小さくなってく二人


市営の駐輪場に自転車をとめている間に改札口に立っていると、あこより先に理一とナルが歩いてきた


「みっさきちゃ~ん」

学ランのボタンを全部あけているのに肩から大きなカバンをかけているから、ナルの制服は大きくずれていた
派手なベルトと、こないだと同じウォレットチェーンがぶら下がっている

アタシが「おはよ」と微笑むと、ナルは満足そうに顔を近づけてくる

「いいね、スカート丈が短くて」

「しかも、夏先取りの夏服やで」

アハハって笑いながら「スカート履いてないのも良かったけどね」って興味津々の視線をよこすから、アタシはナルの肩をドンっと叩いた



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