☆ハイローハート
「アイ! ヘイト! チョコレート!!!」


MJの言葉に白人は肩をすくめてやっとこ立ち去って行った

白のポロシャツの襟を立てて、トランクをゴロゴロ言わせて、サングラスを頭に乗っけた白人は名残惜しそうに何度もこっちを振り返り振り返り遠ざかって行く


「チョコレートの話してたの?」

「チョコレート一緒に食べようってうるっさいのよ」

「へえ」

「ギブミーチョコレート、なんて死んでも言わないわ」


……何の話かさっぱりわからね


それでも、やっぱり白人男性の目を引くらしい

女連れじゃない男はほとんどがMJを見て「OH~♪」みたいな表情を浮かべていた


遠くからあこが早足でやってくるのが見えた

たまたまあことすれ違った白人女性と比べても、あこの髪はそれより茶髪だ

……アイツ、私立なのによくあの茶髪通してるな


キレイに巻かれた髪をふわりと舞わしながら俺らのところまでくると「トイレめっちゃ遠いし、道迷うし」と嘆いて、「モロまだ?」とまわりを見渡した


「まだ」


と俺が答えたとたん、MJが突然大きく手を振る


きたっ!って振り返ると、白人の女の子と手をつないだみさきが飛ぶように歩きながら

「エームジェーイッッ!!」

ってすごい笑顔

っつか、声でか、やっぱり


変わらないみさきに嬉しくなる


「あこ~~!!」と手を振って、俺と目が合うと……


「理一!!」


と爆笑された


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