☆ハイローハート
「コンビニ寄ってこー」

の言葉を合図に、アタシ達は学校近くのコンビニに入った

ひとまず雑誌コーナーに向かう

ティーン向けの派手な雑誌を開いてパラパラと全体に目を通し、最後の星座占いで止まった


「なあなあ、あこ何座?」

「さそり座」

「えっとな、“恋愛運……和食ばかり食べて刺激不足 たまには洋食を”
……は?なんじゃこれ」

「はあ?和食~??」

「今月のラッキーアルファベット、M」


アタシがそう言うと、あこがこらえきれずに大笑いした

ストッパーがはずれたようにアタシも笑い出す


「っつか、ラッキーアルファベットって何―??」

「意味わからん~、普通ラッキーアイテムとかやんな!!」

「え、モロは?」


「アタシは……えっと……」

笑いながら雑誌に視線を戻した

「いて座……いて座……
“恋愛運……気がついた時には落ちている、それが恋である”」

「え、もう占いでもなんでもないじゃん、格言じゃん」

「ラッキーアルファベット、J」

「別に知りたくないよね、ラッキーアルファベット」


あこは自分でそういって、またお腹抱えて笑っている

おもしろさの余韻が残るなか、お昼ごはんのパンだのお茶だのを買ってコンビニを出た


「あんな占いなら、アタシでも書けるよ」

「ラッキーアルファベット、あこが“M”でアタシが“J”やな
いつか役に立つ時あるかな~」

「おかげさまでアタシ、お昼のお弁当は洋食屋さんのハンバーグ弁当買ったよ」

「たまには洋食を食えって?」

「うん」

「まあ、でも、そういう意味ちゃうやろ」

そう言うと、二人でまた笑った



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