☆ハイローハート
その日は水着を買って解散

モロともマンションのエレベーターでバイバイして、アタシは早速とよきに電話した


――「そうそう、今年も市民プールでバイトするの?」

電話で話しつつ玄関の鍵をあける


そうすれば、いつも脱出を試みようとするカブが走ってくるのが見えて……焦ってドアを閉めるの

「うん、今年の夏はモロが水着きたいって言ってて……MJ、と
……カブ?」

玄関で靴を脱いでもカブが走ってこなくて、名前を呼んだ


リビングに入ると、サリーがダイニングテーブルの上に立っている


「サリー、テーブルに乗っちゃだめっていっつもいってるでしょ」


だけどサリーは降りようとせずに、アタシを導くように部屋の一角に目を向けた



とよきと電話で話していたことなんて飛んで行く



「カブ!!
どーしたの???」

体を低くして、喉に何かが絡んだように苦しそうに呼吸するカブに駆け寄ると、そっと手を伸ばす

上手に息ができないって感じ

……死んじゃう!!


ソファーに置きっぱなしのひざかけに手を伸ばして時計を見ると夕方の5時

動物病院の午後の診療には間に合う


と判断した直後、カブの体をくるっと包むとアタシは玄関に猛ダッシュした


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