☆ハイローハート
MJを送ると、終電で地元の駅に戻ってきた

プールの用意が入っているのか、ビニール製のカバンをななめがけに持っているみさきが数歩先を歩いて、飲み終わった紙パックのジュースをゴミ箱に捨てている


「あ~、プール入ったから髪がギシギシする」

「全然ギシギシに見えないけど?
むしろふわふわに見える」

横に並んだみさきの髪に触れると、少しも引っかからずに指が通り抜けてしまった

「昔っからみさきの髪はそう
いつも絶対引っかからないんだよ」

「そう?そんなに触ったことあったっけ?」

「…………」


……あるよ


「焼肉屋さんって大変そうやね
まさかチークダンスさせられそうになるとは思わんかった」

とクスクス笑うみさきが「理一はおばさんとチークダンスしたりした?」っといたずらっぽい顔を向けてくる


「俺、おばさんにモテモテだよ?」

「うん、っぽいね」

「っぽい?」

「母性本能くすぐるとか思われてそう」

「そっかな?」


もう深夜の1時を過ぎている

「プールって疲れるよね……
もう寝ちゃいそう」

と半分目をとじながら歩いているみさき


俺の横で寝てる顔が見たい

めっちゃ……ぎゅって抱きしめたい


「プール入ったから色々かゆい、早く保湿したい」と呟くみさきのナナメ後ろから両手をゆーっくり伸ばした

このまま、抱きしめていいかな

怒られない……よな??

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