☆ハイローハート
肩に手が届きそうになった途端にみさきがパッと振り返った

びっくりして思わず「わ!」とみさきを驚かせるフリをする

「……何?それ」

「いや、眠いっていうから驚かせようかと思って」

「ベタ……」

みさきは小さく(あわわわ)と言いながらあくびをして再び前を向き歩き始めた


だ、ダメだ
抱きしめるのは無理だ

……肩を抱く、くらいなら

右隣を歩くみさきに右腕をのばすけれど、いまいちきっかけがなくて触れられない


「さっきから……」

みさきが話し出してドキーッッと腕を下ろした

……ば、ばれてる?俺の目論見

「めっちゃ静かやけど、理一も疲れてるよね
……ごめん、やっぱMJアタシだけで送って行けば良かった」

「お前は男か」

「MJの純潔を守らないと」

「お前もな」

「アタシは純潔ちゃうし平気~」


――ズキン、
ときた


「……みさき」

「ん??」

「ごめん」

「何が?」

「ごめん」

「だから何よ?」

「……」

「……何かわからんけど、謝ったから許してあげる」

そういって笑ったみさきの横顔が目に痛かった

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