☆ハイローハート
やり直したい
あの日から
わきあがってくる
みさきが好きで
好きで
好きで
好きで
どーにかしたくなる
ムリヤリにでも
マンションに到着して、家に入ってしまうその前に
血迷った思考が脳を支配して、みさきの手を握り締めそうになったとほぼ同時
「あ、そういえば理一、MJに借りた本返してないやろ」
「…………?」
「何借りたん?はやく返さな怒られるよ??」
「……蜘蛛の、糸」
みさきはマンションのエントランスでオートロックを開錠すると「もう読んだ?」と俺の顔をのぞきこんだ
俺は一瞬伸ばしかけた手を見つめて、こらえるように指先を閉じる
MJに、勝てる気がしない
そう思うと、俺は気まずくて片目を瞑って半分だけ現実逃避した