☆ハイローハート
――その程度


と割り切ったら、心が急速に閉じていく

アタシが傷つくとか、そんな薄っぺらい自己防衛なんかじゃなくて

しょせんその程度だと思えば相手との距離の取り方がわかる

下心が見えれば、相手の言葉をうのみにせずにいれる


「……今日お前、機嫌悪くない??」

「別に」

「一応……聞いておくけど、俺何かした?」

「別に」


日曜日はとよきが昼過ぎから家に来ていて、カブが(おいしいのくれるおじちゃ~ん)って感じで懐いている

サリーはとよきのかたわらに座って、めちゃくちゃアタシをにらみつけている


……くっそ、やっぱ女同士だな

「俺、女の気持ちとかわかんねーから、ちゃんと言わないと察したりとかできないぞ」

「別に何もないって」

「そういう時は絶対何かあるんだよ」

察してんじゃん


「おいカブ、姉ちゃんの機嫌なおしてくれよ」


……アタシはスマートフォンを操りながら聞こえないフリ

「理一がスマホにしてさ、自慢してきてうるせーんだけど」

「へえ」

「そういや理一が、めっちゃオチこんでるの知ってた?
バイトと部活以外、一切俺らにもつきあわねーんだけど」


……それは、知らない


「諸岡と何かあったかな……
お前聞いてない?」

「聞いてないけど、なんだろ」

っていうか、モロは最近ハッピーふりまきガールだ

もっぱらハイテンションおしつけガールだ


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