☆ハイローハート
試合が終わると、日陰で軽いミーティング

俺は濡れたタオルを頭に巻きつけながら三年の話を聞いていた

「あーゆう時はさぁ、理一があっちにパス出さないと動けねーじゃん」

「あーゆう時って??」

「だーかーらー、理一がここにいて……」

と先輩は近くにあった木の枝で土に四角を書いて、俺がいた場所を示した



暑さで集中力も続かないし短い時間で解散になったけれど、俺の安らぎはどこに??

願わくば試合が終わったらさやかもゆりかちゃんも帰ってくれてればよかったのに

という希望はもちろん叶わなくて


まずジャブがくる

「先輩、この後どうされるんですか??」

……汗が半端ないんで、帰るっす

というのをやんわり伝える言葉を探していると、「りーいちくん」といつもの呼び方でさやかがやってきた

「久しぶり」

と笑顔でこたえると、「この後どうするの?」と全く同じ質問をされた


「あっと……この後はね」


と話し始めると、ゆりかちゃんがなぜか遮った

「元カノさん、この間すっごいイケメンと歩いてましたよね」

イケメン??

っつか元カノさんって呼び方アリ??

「新しい彼氏ですか??」

笑顔でゆりかちゃんが首を傾げている

うん、今日も巨乳健在

制服じゃないから、アピールするようなジャストサイズのTシャツに勝手に目が行く

こ、こらこら俺の目


「先輩は新しい彼女作るの遠慮してるのに、やっぱりモテる女の人は違いますね
切り替えが早いです」

こ、こらこら、そんなこと言っちゃダメでしょ~

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