☆ハイローハート
「じゃああこは?
もしアタシに彼氏ができて、その彼氏が“あこちゃんの方がタイプだな~”って言ってきたら」

「その場であんたに電話する」

あこはあわてて電話をかける仕草をしてみせた

「もしもし?モロ!今あんたの男がさー!!
わわわわ、何か言ってくるんだけどォ~」

おののいた表情を浮かべて、電話越しにアタシに告げ口する姿に吹き出した


「“わわわわ”って、どんなけ焦ってんねん!」

「焦ってるんじゃないよ、キモがってるんだって」

「キモイって!アタシどんな男と付き合ってんのよ」


ほんと、しゃべってると笑いっぱなしというか……
おもしろいんですけど、この人

勢いであこのひざから落ちた携帯がブルブルとコンクリートの上で震え出して、アタシ達は「おお!」と同時に驚いた


「あ、メールメール」


と、あこは笑っていた息を整えて、携帯をチェックしはじめた

「彼氏?」

「うん、今日お昼何食べたの?って……
洋食 屋 さんの ハンバーグ 弁当 だよ ……と」

返信してるらしい

「毎日何食べたか報告してるん?」

「……聞かれたら答えてる」


しばらくすると更にメールを受信


「で、そのお弁当の報告を受けた彼氏はなんて?」

「ん?今日は放課後何するの?って」

「……一日、メール何通くらい来る?」

「多かったら10通は来るね」

「……めんどくさくない?」

「返事しないともっとめんどくさいよ
誰といるの
何してるの
今どこ?
納得できる理由をお知らせするまで続くもん」


アタシは明らかに顔がひきつったと思う

「めちゃ束縛されてるやん」


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