☆ハイローハート
勉強が終わると、俺の部屋に移動した

とよきに話があるみさきも一緒


「あの、さ……あこの事やねんけど」

「ああ、うん」

「あこな、知ってるねん
とよきが、他の女と予備校に通ってること」


とよきは夏休み前から予備校に通っていた

学校の部活にスイミングに予備校でけっこう忙しいサイクルの生活をしている

だけど、本人は忙しいと思ってなくて、部活は遊び
スイミングはストレス発散だって言ってるから水中にいることは全く苦にならないらしい


あこが言ってたけど、マジで水中で生活できそう


俺は横で開襟シャツを脱いで、楽なTシャツに着替えていた


「ほら、あこって……、どっかで他人を冷たい目で見てるからさ、ヤキモチっていうより……
多分、裏切られたって気持ちの方が大きいと思う」

「裏切ってないけど」

「なんていうかな、ほら、実際世の中には、自分の彼女を不安にさせないように努力する男の人だっていっぱいいるわけやん?
あこの事思ってるなら、なんで隠さずに一言“予備校に通うねん”っていわへんかったんかな?って」

「それは……」

「その予備校にとよきの知り合いの女の子が通ってても、最初からあこに言ってれば……こうならへんかったと思うねん」

考え込んだように黙るとよき

この間はあこの態度や口調に、全く理解すらできなかったけれど、こうしてみさきに真相をきかされるとそれももっともというか……

……あこらしい


「あこにヤキモチやかそうとか思ったんなら、多分あこは一生ヤキモチなんかやかへんよ?
裏切られた、って思って、自分を裏切る人は自分の人生に不必要ってなるから」

「裏切ってないって」

「あとさ……“俺はあこに付き合っていただいてる”ってゆったやろ??
自分が傷つけられた腹いせにそう言ったんかもしれんけど、アタシから見たら先にあこを傷つけたのはとよきやで」


とよきはチラッと時計を見て、立ち上がった

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