☆ハイローハート
パンツ一枚で肩からタオルをかけたままアタシの横でドライヤーをかけている

あこに送ったメールの返信は“フルセットあるよ、後で貸してあげる”

アタシが(さすが……!)と少し笑ったら、理一がドライヤーをしたまま顔をのぞきこんできた

うつむきがちに乾かしているから、前髪が目の下まできてる

理一はドライヤーを止めると、手でガシガシっと髪を散らかした……と思ったのに、いつもの理一の髪型に出来上がっている

男ってどんだけ楽やねん


「今日どこ行く?」

その質問に答えずドライヤーを取ろうとすると、理一はそれを拒んで昨夜のようにアタシの後ろに来て乾かしてくれた

「朝ごはん食べに行こうよ、俺ハンバーガー食べたいな」

「あー、アタシも」

「んじゃ決定」


乾かしてもらっている視線の先に掛かってる絵画


「なあ理一」

「ん??」

「お札、あると思う?」


昨夜は知らないうちに寝ちゃってたけど、よく考えればお札の貼ってあるかもしれない絵画が掛かっている部屋で寝たわけで……


「あこがビビらせようと思って言ったに10点」

「アタシは、マジで貼ってるに10点」


「お、賭け成立じゃん……でもみさきに10点もらってもな~」

「アタシも10点いらんけど」

「んじゃ、俺が勝ったらチューね」

「アタシが勝ったらハンバーガーおごりで!!」


理一はウレシそうにドライヤーをポーイとベッドに投げると、絵に近づいてあっという間に裏返してしまった


「はい、俺の勝ち」


の言葉と同時に両手がのびてきて一瞬で頭と背中を引き寄せられると、チューなんてかわいいことばで片付けられないくらいの熱烈キッス

もちろんマッハなスピードで押し倒されていた

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