☆ハイローハート
「何、K-1みたいな?ボクシング?」

「……いや……ジャンルはようわからんけど、UFCとかゆうやつ」

「UFCーッッ??」

「うん、そう」

「うわ~、マジ!!」

「は?」

「格闘技、めっちゃ好きなんだよ」


……えっと
じゃあ……

「スカートのお礼に、見ていく??」

「いいんすか?
おじゃましま~すッ」

アタシより急いで入っていくのを後から追うと、あっという間にテレビ前のソファーを陣取っていた


そんな彼を置いておいて、アタシはスカートをはいてみる

「あ、サイズぴったり」

隣室から叫ぶと「あっそう、良かったな」って適当な返事

そのスカートをはいたままリビングに戻って、サンドイッチを開封した

「紅茶入れるけど、理一も飲む?」

「うん、砂糖たっぷりのミルクティーで」

……来客、だよね?
この家の主じゃ~ないよね??

アタシは紅茶を入れて、ソファーの前のローテーブルに置いた

その近くの椅子にすわってサンドイッチを食べながら、理一が見入るテレビをつられて見る

「今日もさやかとお昼食べた?」

「んー」

「明日の約束もした?」

「んー、うおっ、コイツパワーすげー!!」


……聞いてないね


テレビ画面の中、肩までの金髪をぎゅっと結んだ白人と、体中タトゥーだらけの黒人がもみあっている

「これ、何ラウンド?……5分3ラウンド、あ~、判定だなァ
……あぶねっ!!」

……今まで応援してきたファイターでもないのに、こんなに瞬時に熱くなれるってすごい

全然興味のない格闘技でも、誰かと一緒に見ているとおもしろく思えるからなんだか不思議



< 55 / 756 >

この作品をシェア

pagetop