☆ハイローハート
賭けはアタシも負けていなかったということで、理一のおごりのハンバーガー

あっという間に食べ終わると、スマートフォンでゲームをして遊んでいる理一ととよきを横目にあこにメイク道具一式を借りる

「ほんまに絵の後ろにお札貼ってあったわ」

「だから貼ってるって言ったでしょ?」

「なんで裏返して見ようって思ったん??」

「だって、変なとこに絵が掛けてあるんだもん」

クーラーの風がふわっとアタシの腕にかかって、ぞっとした

あこはポテト片手に「何か出た?」と聞いてくる

「全然」

「モロ鈍感でつまんない」

「ごめん」


ダラダラと時間を過ごして、もう飲み物もなくなった頃

「帰る?」とあこがケータイで時間を確認してそう切り出した

「うん、アタシ地元のスーパーでお菓子とかジュース買い込みたいし」

あこと顔を見合わせてニコニコ笑っていると、理一が突然「俺映画が見たい」と言い出した

「とよきと見て帰れば?」

とあこにそっけなく返されても「みさきと見たい!」とまさかのご指名

「え~、だってアタシ今日は」

と言いかけても、それを遮って「映画じゃなくてもいいから、遊びに行きたい!」と理一がスネている

「だから~、とよきと遊べばいーじゃん」

あこがめんどくさそうにカバンを持って立ち上がったから、アタシも立ち上がった

「とにかく一緒に出よーぜ」ととよきが言ったからしぶしぶと理一も一緒に店を出る


炎天下

店を出て1分ですでに玉の汗

「あ!一回家帰ってからプールいこ!!」

アタシの横で理一は次から次へと何かしら提案してきて、アタシが「また今度ね」という度に不機嫌そうな顔をしていた


なんでいきなりこんなめんどくさい子になってんの……

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