☆ハイローハート
「例えばあこがペットショップ発案者を殺しても、私はあこの友達でいるの
殺人がいけないことなのは分かっているし
あこが法律で裁かれるのも仕方がない
だけど、あこの信念やあこの心理を知っている私は、そこであこを嫌うことは絶対ないの」


「うん……」

もしそれが現実に起こったとしても、あこが命の重さを軽んじているとは思わない

動物を虐待する人間を見つけたら、あこはきっと笑いながらその人間を虐待し返すに違いない

……あら素敵


「例えば彼氏がいるのに他の男の人に気持ちが動いたり、結婚している男性を好きになったとしても、私はモロの友達だから……
モロが好きな人と幸せになってくれればいいと思う」


ちょっとちょっと……

今夜はアタシを泣かせる会??


「モロが誰かに非難されても、私もあこもモロの味方ですから」

きっぱりとMJが断言した


「アタシさ……小さい頃からずっと一人で
いじめられても、無視されても、ずっと誰にも相談せずに……
誰かに聞いてほしいことは紙に書いて、破いて捨てて
キライな人の名前を紙に書いてビリビリに破いて……乗り越えてたの」


過去が甦ってくる

自分が何度も紙に書き殴って破いて捨てた名前


「それが中学生になったら、男の子に相手してもらえるようになって嬉しくてさ……
なんかよくわからんけど、求められるのが嬉しくて、必要とされてるみたいやん??
じゃあさ……今度は簡単にヤレる女ってレッテル貼られて……」


男の先輩も男の後輩もアタシを見に教室に来たり、すれ違いざまに噂されたり

待ち伏せされて「俺もヤリたいんですけど」と男の子数人に言われたこともあった


「だから、あこが昨日会った二人組の言ってたことは……ウソじゃないねん」

「ああ、笹川くん?」

「まさかそんな名前が出てくると思わんくてビックリしたんやけど……
笹川って、先生
先生のことやねん」


そう言うと、さすがにあこも驚いたようだった

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