☆ハイローハート
「WOWOWって映画しかないのかと思ってたけど、格闘技もあるんだな」
理一がWOWOW専用の番組表を見ながらうらやましがっていた
パーカー&ジーンズでソファーの上にあぐらで座る姿はもはやこの家になじんでいる
アタシが食べたものを片付けたり学校のカバンの中身を出したり、いまだ制服のままウロウロしているのを理一が目で追っているのに気付いて「ん?」と立ち止まった
「傷なおった?」
「え?だって、刃物でさっくり切られたんやもん、そんなにすぐなおらへんよ、ほら」
スカートのすそをちょっと持ち上げると、赤い傷跡がくっきりと見える
「いや、見せなくていいんだけど」
理一が目を逸らすから、「あれ?血とか苦手?」と笑いながらからかう
「そうじゃないけど……、もう狙われてねーの?」
「あ、うん、多分大丈夫」
「そっか、あこから聞いたけど女ってこえーな」
「うん……」
「ま、でもあこと一緒なら大丈夫だよ
あいつ、男女間トラブルに強いから」
「???」
「ほらさぁ、中学生とかってさ、誰が誰に告白したとか
好きな女を横から取られただの、男と一緒に遊んだだのうるせーじゃん?」
……確かに
引越す前、大阪にいたときはそれで痛い目にあいまくった
「なんでか、あこが介入すると沈静化するんだよ」
当時のことを思い出してるのか、ヒヒヒって笑ってるのをキョトンと見ていた
「うん、だから大丈夫だよ、これからは」
……一体何が大丈夫なんだろー
理一の顔を見ていると、彼は更に自信たっぷりに話し続けた
「あこには、糸の絡まってるところが見えてるんだってさ」
アタシはあこの上から見下ろしたような笑顔を思い出して「ああ~、なるほど」と微笑むと、得意気な顔をしている理一を見た
「わかる気がする
“どうせキレイ事”ってナナメから話をきけば、きっとわかるねん」
理一がWOWOW専用の番組表を見ながらうらやましがっていた
パーカー&ジーンズでソファーの上にあぐらで座る姿はもはやこの家になじんでいる
アタシが食べたものを片付けたり学校のカバンの中身を出したり、いまだ制服のままウロウロしているのを理一が目で追っているのに気付いて「ん?」と立ち止まった
「傷なおった?」
「え?だって、刃物でさっくり切られたんやもん、そんなにすぐなおらへんよ、ほら」
スカートのすそをちょっと持ち上げると、赤い傷跡がくっきりと見える
「いや、見せなくていいんだけど」
理一が目を逸らすから、「あれ?血とか苦手?」と笑いながらからかう
「そうじゃないけど……、もう狙われてねーの?」
「あ、うん、多分大丈夫」
「そっか、あこから聞いたけど女ってこえーな」
「うん……」
「ま、でもあこと一緒なら大丈夫だよ
あいつ、男女間トラブルに強いから」
「???」
「ほらさぁ、中学生とかってさ、誰が誰に告白したとか
好きな女を横から取られただの、男と一緒に遊んだだのうるせーじゃん?」
……確かに
引越す前、大阪にいたときはそれで痛い目にあいまくった
「なんでか、あこが介入すると沈静化するんだよ」
当時のことを思い出してるのか、ヒヒヒって笑ってるのをキョトンと見ていた
「うん、だから大丈夫だよ、これからは」
……一体何が大丈夫なんだろー
理一の顔を見ていると、彼は更に自信たっぷりに話し続けた
「あこには、糸の絡まってるところが見えてるんだってさ」
アタシはあこの上から見下ろしたような笑顔を思い出して「ああ~、なるほど」と微笑むと、得意気な顔をしている理一を見た
「わかる気がする
“どうせキレイ事”ってナナメから話をきけば、きっとわかるねん」