☆ハイローハート
差し出されたのは小包

「すいません、ご迷惑おかけしました」

と受け取ると、「いえ……」と返ってくる

うーーん、社会人3年目くらいって感じ??

Tシャツにスウェットで、アタシを見る目が少し怖かった

……女子高生が嫌い、とか?

国坂くんがアタシの手を少し引いてくれたから、ドアから一歩下がる

隣人さんは国坂くんを見て、不愉快そうに視線をそらすと何も言わずにドアを閉めてしまった


…………

変な人

あんまり関わらんとこ


アタシは自分の家に入ると小包を改めた

「誰から?」と国坂くんも玄関まで入ってくる


「あれ、これ……差出人の名前がない」

「貸して」


国坂くんはアタシの手から取り上げると、耳を当てたり振ったり中身を推理しようとしている

……刑事ドラマみたい


「爆弾?」

「いや、爆弾ではないだろ、あけていい?」


うなずくと、彼はガムテープを勢いよくひきはがして開封した


「……マグカップ」

「マグカップ?」


……??
差出人不明の、マグカップ??


「ラッキー!この間ねマグカップ落として割っちゃってん」

「……ラッキーって、誰がそのマグカップが割れたこと知ってるの?」

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