☆ハイローハート

新しいマグカップはショッキングピンクとパステルピンクとホワイトのマーブル模様だった


「かわいーやん」

と呟きながら一度洗って、早速そこにアイスオーレを作る

テレビをつけると静かな室内が少しだけ色づいた


新品のソファーに足ごと乗っけて座り、ケータイを見る


龍一からの次のカテキョの日にち候補メールには“母さんが「次のレシピは照り焼きチキンよ」と言っていました”と付け加えられている

あくびをしながら照り焼きチキンを想像すると、お腹がすいたような……


何か、食べる物あったっけ？


龍一に返信してから何か食べ物を物色しようと決めて、スマホの手帳アプリを起動させスケジュールを確認する


……特になんの予定もないし、いつでもいっか


とメール作成しようと画面に指でタッチした途端電話を着信して、勢いよく通話状態になってしまった

誰からの電話かすらわからないまま


「……もしもし？？」

「電話出るの超はやいね！！あーけーて！」


……理一

あけてって、まさか……


「今家の前にいるから、早く」

「ダメ、アタシ今からお風呂入ろうと思って服脱いだとこやから」

「じゃあ俺も一緒に入る」

「ダメでーす」

「とにかくあけてよ」

「もう今日は疲れてるから、お風呂入って寝るの！またね」


お利口にしてるって約束してんから、絶対ダメ
「ちぇー」って呟いている声がした少し後……


「もう俺はグレてやる！非常階段使ってやるーー！！」