☆ハイローハート
アホか


電話の向こうでドアが閉まる音がする……ってことは、ほんとに非常階段で6階に上がってるらしい


「次のカテキョいつ??」

「なんで理一がそんなこと気にするわけ?」

「俺も一緒に英語教えてもらおうと思って」

「理一のカテキョする約束なんてしてないも~ん」

「龍一教えるついでじゃん、ケチ」

「ダメ」

「あ、みさき再来週の土曜日あけといて」

「……なんで?」


……デートとか、できひんからっっ


「サッカーの県予選
応援きてくれるって言ってただろ?」

「……ああ……」

「1回戦敗退するかもしんねーけど」

「どんなけ弱いねん」

「みさきが来てくれたらがんばる」

「うーーーん」

「んじゃ、それだけ、服脱いでんだろ?さっさと風呂入れよ」

「あ、うん」


……実際脱いでないけど


「せめて1回戦くらいは突破しないとね、ってことで俺も練習でくたくただから寝るわ
バイバイ」

「……バイバイ」



怒涛のように攻めてきて、足元の砂をさらって引いていく波のよう

その感触が気持ちよくて、もう一度波がくるのを期待してしまうのは……なんなんだろう


アタシはアイスオーレを飲むと、龍一に返信するメールを作成しはじめた

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