☆ハイローハート
「「いやいやいや……」」


久々にモロとアタシの声が見事にハモる


「めっちゃ祈願したから3万円やったらわかるけど、沖縄に行きたいから3万円っておかしいやろ!!」

「何基準よ!」

とモロと一緒に突っ込んでるのに……


「往復の飛行機代を基準にしたの」


って。

もう、アタシ達の前では名高い占い師ぶるつもりはサラサラないらしい

むしろ立派な詐欺師として振舞っていらっしゃる

これで大の大人を相手に商売するんだから、肝が据わっているもんだ……


結局本当にモロとMJはアタシにつきあってくれなくて……


アタシは一人でとよき(と理一とナル)の通う学校へ向かうことになってしまった




電車を降りると、共学らしくおそろいの制服カップルをよく見かけた

浮くよね、女子校の制服は……


白いシャツのそでにはSGと筆記体で刺繍されていて、紺のプリーツスカートは超ミニ

ローファーにはふさふさの飾りが二個ついていて、かわいいからお気に入り

制カバンにももちろんSGの刻印があって、校則違反だけどキーホルダーをぶら下げている


ケータイを取り出して、一応とよきに一報入れようかと思ったけれど……驚かせたい欲求が勝って結局やめてしまった

絶対部活だし、もう帰っちゃったってことはない


すれ違う学生達の視線をガンガンに受けながら歩いて行く


ナルみたいなルックスの男に「S女だぁ~」と指差されたけど無視


学校でちょっと幅をきかせてそうな派手な女の子達はあからさまに敵対心の目でにらんでくる

くそ、やっぱりモロかMJつれてくれば良かった……

いや、この場合ちひろみたいな人当たりのいい女が正解かな……

んー、でもちひろはスタイルが良すぎてそれはそれで反感くうか


< 573 / 756 >

この作品をシェア

pagetop