☆ハイローハート
「先輩、ホントですかぁ??」


理一は気まずそうに空とナルを見ながらゆりかちゃんとは目をあわさないようにしている

……アホ


「ええっと、うん
ずっと片思いしてるのは、ホント」


ごまかすかと思ったのに、理一が素直に認めたからアタシの方が驚いてしまった


「そうなんですか……」


ナルはアタシの意地悪心がわかっているのか「おっまえなあ~」なんて言ってくるけど、ほんとのこと言って何が悪いの??


「理一、そろそろ部活もどろーぜ」

とナルが促して、二人は駆け足で学校に戻って行く

ゆりかちゃんと、その隣で黙っていただけのお友達は落ち込んだ風にアタシの前から去って行った


落ち込んだ風とか、見せられても


最初うっとーしいとか思ったけれど、理一とナルのおかげでいい時間つぶしができました


女子二人もまた校門をくぐっていく背中を見ていた

あの二人も部活中?

でもそんな感じじゃなかったし、制服のままだし……


サッカー部の練習見てたとか?

ああ、だから理一とナルが練習抜け出してここに来たのがわかって追いかけてきたのかな


んー、ちょっと待って

サッカー部の練習見てたってことは……


なんか、何かが頭の中にひっかかってはっきりしない

もう少しでクリアーになりそうなのに……


と一生懸命色んな方向に思考を巡らせて答えを見つけ出そうとしていると……


ひょっこりとよきが前に立った

< 577 / 756 >

この作品をシェア

pagetop