☆ハイローハート
とよきの後ろを、他の生徒がこっちを見ながら通って行く

もう二度と来ないんだからっっ


「耳貸して……」

ととよきのシャツを少し引っ張った

少しかがんだとよきに不意打ちのチュー

耳元で普通より大きめの声で


「会いにきたんだよ、バーーカ」


と言ってやると、とにかく驚いてるとよきが「・・・」とばかりに固まってるから


「か~えろ」

とくるりと背を向ける


夏が終わったら秋がくる

もう少し涼しくなったら、また少し二人の距離が近くなるかな??


だったら、早く寒くなって欲しいかも

そしたら寒さを理由にとよきにくっつけるし


ちょっとだけとよきを盗み見ると、まだ唖然とした表情


面白い遊び発見したかも……


横に並ぶとよきに少しぶつかると「なに放心してんの?」と笑う

「……え?いや……」

「どっか寄って帰る?」

「うん……」

アタシのこの行動には、そんなに衝撃をくらうほどの破壊力があったんだろうか

そこまで放心されるとアタシも衝撃的


更にとよきに話しかけようとすると、別の女の声がそれを遮った

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