☆ハイローハート
アタシはアタシだけを見てほしくて、特別扱いされたくて、優しく優しく大切にして欲しいの

理一がさやかにそうするの見て羨んで、憧れていた


そして理一は……

自分の都合のいいときだけ相手して遊んで、気に入らないことをすると押し退けられるような、そんな言いなりになってくれるペットが勝手に逃げて、急に寂しくなっただけ


アタシじゃない

アタシじゃないの

自分が手懐けられる女なら、アタシじゃなくていいの


本当は誰を探しているの?

アタシなの?
アタシの代わりなの?
それとも、アタシも誰かの代わりなの??


人に求められると心のどこかが喜んで拒否しきれない弱いアタシ

近づいたように見えるけれど、アタシはやっぱり遠くから理一を見てる

傷つきたくなくて、理一に続く道全ての信号は赤信号

半分信じたくて、半分信じられない理一の気持ち

表面上はつながっていても、根底では決して交わらない


理一は肝心なことは何も言わない

アタシを抱きしめながら、これ以上はないくらいに不安にさせる

愛を語りながら、唇を塞ぐ

快感におぼれて、感情を隠す


そんなループから救ってくれるのは……国坂くんなの


だから目をあけて一生懸命手をのばす

国坂くんが救いの手を差し伸べてくれる方向へ


なのに、目を閉じると……


浮かぶのは、誰???

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