☆ハイローハート
ふと、とよきを見ればその膝でサリーが目を閉じていた
ゴツゴツとしていそうだけれど、大きくて寝心地は上々っぽい

とよきの手が、サリーの頭をスーッと撫でていく
触られるのが好きじゃないはずの彼女が大人しく撫でられているのも貴重な姿だけれど……

あの膝枕で髪を撫でられながら寝るのは、極上かもしれない


普段は彼氏で埋め尽くされている気持ちのバロメーターが、ついさっきロシアンブルーに少し振れたと思ったら、今度はとよきの膝枕に振れている


この気持ちのブレを自分できちんと取り扱うことができれば、誰も傷つかないことはわかっているの

なのに、本人の意思と関係なくユラユラと傾くから……確信なんて持てないんだ



誰かが誰かを思う気持ちが明日も必ずそこにあるわけじゃない



カリカリとドアをひっかく音がして、カブがふら~っと入ってきた姿を見て微笑んだ
彼はそっとサリーに寄り添ってちょこんと座る


アタシの机の上には、先代の猫ウルトラと、先代の犬ライダーと小学生のアタシが一緒にうつっている写真が飾られている

アタシが先代の彼らと、サリー&カブを思う気持ちは、アタシの命が尽きるまで続くの


それは……100%




「諸岡みさきは恋をする」の巻





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