☆ハイローハート
「ほんっとーーーーにごめんなさい」


……理一が滑り台に向かって頭を下げている

え?誰かおるの??

滑り台には誰も見えない

もしかして、理一にしか見えてない子供がおるとか??


「わかってます、ほんとに反省してます」


そんな言葉を聞きながら更に歩いて角度を変えると、理一がケータイで話しているのがわかった


誰にそんな謝ってるんやろ

滑り台に向かって直立してるから、めっちゃ変なんですけど

「俺がぜんぶ悪いです
何もかも俺が」


……アタシはしばらくそんな遺憾の意を表明している理一を眺めて、飽きた

買い物いこ

「電話での謝罪じゃこちらの誠意も伝わらないので、いますぐそちらに!
いますぐにでもそちらに!
1分で到着しますから、1分後にそちらに……
……行きませんっっ!!!」


行かへんのかーーいっっ!!!


ななめ掛けしていた小さなバッグがアタシの肩からリアルにずり落ちた


「みさきっっ!!」


と公園の中から声と足音が追ってきて立ち止まり振り返る


……見つかった


「今、あこから電話で聞いた」

「ああ、あこからの電話やったんや」

「チャコちゃんに何か言われたって」

「チャコちゃん?」

「お前と一緒の学校の、年上の」


……ああ、あの先輩

チャコっていうの??


< 610 / 756 >

この作品をシェア

pagetop